フォルクスワーゲン・ポロ1.6スポーツライン(FF/6AT)/クロスポロ(FF/6AT)【試乗速報(前編)】
普通がいちばん(前編) 2006.09.08 試乗記 フォルクスワーゲン・ポロ1.6スポーツライン(FF/6AT)/クロスポロ(FF/6AT) ……244万2000円/264万2000円 フォルクスワーゲン「ポロ」に、日本初登場となるオールアルミ製1.6リッターエンジンを搭載するモデルが追加された。スポーティ仕様の「1.6スポーツライン」とSUVテイストの「クロスポロ」に試乗する。3モデルを追加
現行ポロの販売がスタートしたのは2002年6月のこと。導入当時から、ボディバリエーションこそ4ドアと2ドアが用意されたが、パワートレインは1.4リッター直4エンジンと4段オートマチックの組み合わせだけ。確かに必要十分な性能を有してはいるが、高速道路の合流や追い越しといった場面ではやや力不足の印象があり、ハイパワーモデルの導入が望まれていた。
しかし、2005年8月に実施されたマイナーチェンジではエンジンの追加はなく、その年の暮れに1.8リッター直4ターボを搭載する「ポロGTI」がようやく加わるが、どちらかといえばこれはニッチなモデルだった。
そして2006年8月、ようやく期待のバリエーションが追加された。1.6リッター直4エンジンとティプトロニック付6段オートマチックを搭載した「ポロ1.6スポーツライン」と、SUV風のルックスを持つ「クロスポロ」である。
さらに、VWのエントリーモデルとして位置づけられていたルポの販売が終了したことから、その役割を担うモデルとしてポロ1.4トレンドラインが用意された。これによりポロは、価格順にポロ1.4トレンドライン(2ドア:169万円)、ポロ1.4(4ドア:199万5000円)、ポロ1.6スポーツライン(4ドア:219万円)、ポロGTI(2ドア:228万9000円)、クロスポロ(4ドア:239万円)、ポロGTI(4ドア:249万9000円)の6モデルとなり、一気にレンジを広げている。
なお、“トレンドライン”“スポーツライン”という名前は、ドイツ本国では装備レベルを意味しており、トレンドラインが比較的ベーシックな仕様で、これをベースに装備を充実させたのが“コンフォートライン”、同じくスポーティな仕様がスポーツラインということなる。日本仕様ではそれぞれの装備レベルにさらに快適装備を追加している。ちなみに、日本のポロ1.4(4ドア)はコンフォートラインにプラスアルファ、という位置づけになる。
目立ち度高いクロスポロ
今回追加されたモデルのうち、試乗会に持ち込まれたのはクロスポロとポロ1.6スポーツラインの2タイプ。まずはSUV風の出で立ちが人目を惹くクロスポロをチェックする。
VWのクロスオーバーモデルというと、ゴルフ2の時代に、フルタイム4WDの「シンクロ」をベースに仕立て上げられた「ゴルフカントリー」が思い浮かぶ。最近では、マイナーチェンジ前のポロがベースの「ポロファン」(日本未導入)が人気を集め、その後継モデルとしてクロスポロが誕生している。
最大の特徴はエクステリアで、アンダーガード風のフロントバンパーやプラスチックでカバーされたホイールハウス、そして、ルーフレールといったアイテムにより、どちらかというと大人しい印象だったポロを、アクティブなイメージに変えてしまった。最低地上高は20mmアップし、ルーフレールを含めると標準よりも55mm背が高くなっているが、それでも全高が1535mmに抑えられているので、タワーパーキングのアクセスにも困らない。
インテリアは、オリジナルのシートやステアリングホイールが用意され、また、“マグマオレンジ”と“ライム”のボディカラーを選ぶと、インテリアも同色にコーディネートされるという凝りようだ。(後編につづく)
(文=生方聡/写真=郡大二郎/2006年9月)
・フォルクスワーゲン・ポロ1.6スポーツライン(FF/6AT)/クロスポロ(FF/6AT(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018605.html

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
-
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(4WD)【海外試乗記】 2025.12.12 「ノイエクラッセ」とはBMWの変革を示す旗印である。その第1弾である新型「iX3」からは、内外装の新しさとともに、乗り味やドライバビリティーさえも刷新しようとしていることが伝わってくる。スペインでドライブした第一報をお届けする。
-
BYDシーライオン6(FF)【試乗記】 2025.12.10 中国のBYDが日本に向けて放つ第5の矢はプラグインハイブリッド車の「シーライオン6」だ。満タン・満充電からの航続距離は1200kmとされており、BYDは「スーパーハイブリッドSUV」と呼称する。もちろん既存の4モデルと同様に法外(!?)な値づけだ。果たしてその仕上がりやいかに?
-
フェラーリ12チリンドリ(FR/8AT)【試乗記】 2025.12.9 フェラーリのフラッグシップモデルが刷新。フロントに伝統のV12ユニットを積むニューマシンは、ずばり「12チリンドリ」、つまり12気筒を名乗る。最高出力830PSを生み出すその能力(のごく一部)を日本の公道で味わってみた。
-
アウディS6スポーツバックe-tron(4WD)【試乗記】 2025.12.8 アウディの最新電気自動車「A6 e-tron」シリーズのなかでも、サルーンボディーの高性能モデルである「S6スポーツバックe-tron」に試乗。ベーシックな「A6スポーツバックe-tron」とのちがいを、両車を試した佐野弘宗が報告する。
-
トヨタ・アクアZ(FF/CVT)【試乗記】 2025.12.6 マイナーチェンジした「トヨタ・アクア」はフロントデザインがガラリと変わり、“小さなプリウス風”に生まれ変わった。機能や装備面も強化され、まさにトヨタらしいかゆいところに手が届く進化を遂げている。最上級グレード「Z」の仕上がりをリポートする。
-
NEW
ホンダ・プレリュード(前編)
2025.12.14思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「ホンダ・プレリュード」に試乗。ホンダ党にとっては待ち望んだビッグネームの復活であり、長い休眠期間を経て最新のテクノロジーを満載したスポーツクーペへと進化している。山野のジャッジやいかに!? -
アストンマーティン・ヴァンテージ ロードスター(FR/8AT)【試乗記】
2025.12.13試乗記「アストンマーティン・ヴァンテージ ロードスター」はマイナーチェンジで4リッターV8エンジンのパワーとトルクが大幅に引き上げられた。これをリア2輪で操るある種の危うさこそが、人々を引き付けてやまないのだろう。初冬のワインディングロードでの印象を報告する。 -
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(4WD)【海外試乗記】
2025.12.12試乗記「ノイエクラッセ」とはBMWの変革を示す旗印である。その第1弾である新型「iX3」からは、内外装の新しさとともに、乗り味やドライバビリティーさえも刷新しようとしていることが伝わってくる。スペインでドライブした第一報をお届けする。 -
高齢者だって運転を続けたい! ボルボが語る「ヘルシーなモービルライフ」のすゝめ
2025.12.12デイリーコラム日本でもスウェーデンでも大きな問題となって久しい、シニアドライバーによる交通事故。高齢者の移動の権利を守り、誰もが安心して過ごせる交通社会を実現するにはどうすればよいのか? 長年、ボルボで安全技術の開発に携わってきた第一人者が語る。 -
第940回:宮川秀之氏を悼む ―在イタリア日本人の誇るべき先達―
2025.12.11マッキナ あらモーダ!イタリアを拠点に実業家として活躍し、かのイタルデザインの設立にも貢献した宮川秀之氏が逝去。日本とイタリアの架け橋となり、美しいイタリアンデザインを日本に広めた故人の功績を、イタリア在住の大矢アキオが懐かしい思い出とともに振り返る。 -
走るほどにCO2を減らす? マツダが発表した「モバイルカーボンキャプチャー」の可能性を探る
2025.12.11デイリーコラムマツダがジャパンモビリティショー2025で発表した「モバイルカーボンキャプチャー」は、走るほどにCO2を減らすという車両搭載用のCO2回収装置だ。この装置の仕組みと、低炭素社会の実現に向けたマツダの取り組みに迫る。
































